思考再開

自分さえ良ければ社会から、助け合い・共存共栄社会へ

就職における二次災害の起こらない社会を作る

「セカンドレイプ」という言葉を知っていますか?

「セカンドレイプ」という言葉をご存知でしょうか? 
性犯罪にあった女性は、苦しい精神状態に追い込まれます。それでも勇気を振り絞って、産婦人科に診察しに行ったり、警察に被害届を出しに行ったりしなければなりません。そしてあろうことか、医者や警察官に、このようなことを言われてしまうことがあるのです。

「レイプした側はもちろん悪いけれども、レイプされたあなたの側にも問題があったんじゃないの?」

ただでさえ弱っているところに、「とどめの一撃」を加えられてしまうことがあるのです。このような、いわゆる「精神的な二次災害」のことを「セカンドレイプ」と言います。

「再就職ができずに苦しむ人たち」がセカンドレイプに遭うこともあります

「再就職ができずに苦しむ人たち」も同じような経験をすることがあります。
これまでずっと会社に尽くしてきたという人が、上司や同僚から裏切られ、会社を追いやられたとします。彼は人を信じることができなくなり、しばらくの間は何もできずに、ただ食べて眠る日々を過ごしました。けれども、このままでは活路は開けません。彼は勇気を振り絞って「就職支援をしているNPO」のところに行くことにしました。そして、「心理カウンセラー」の資格を持っている職員に、このようなことを言われてしまうのです。

「上司や同僚が裏切ったって言うけれども、それはあなたが勝手にそう感じているだけでしょ? 向こうにはそんな気はないんだよ! あなたが今苦しんでいるのは、あなた自身が苦しみたいと願った結果なんだよ!」

「とどめの一撃」を受けた彼は、再び自分の殻に閉じこもることになるのです。
彼は「就職相談にいったらひどい目に遭った」ということを、誰かに話すこともできません。なぜならば、誰かに話そうものなら「プロのカウンセラーがそう言っているのであれば、それが事実なんじゃないの?『あのカウンセラーは間違っている!』と憤っているお前の方が、おかしいんじゃないの?」などと、周囲から精神状態を疑われることになるかもしれないからです。

女性であれば、もっと怖い思いをすることになるかもしれません。
とても評判のよい心理カウンセラーがいるとします。彼は、女性100人のうちの99人の「再就職相談」に、親切に対応しました。しかし残りの1人にだけは「セクハラまがい」のことを、ひたすら繰り返しました。この女性は、どこにも泣きつくことができません。なぜならば、誰かに相談しようものなら「あの先生に限って、セクハラなんてするはずがないじゃないの? あなたが勝手にそう思い込んでいるだけでしょ?」などと言われて、余計に傷つくことになり、そのうえ世間からは「あの人は先生の評判を落とそうと、ありもしないことを、あちこちで言いふらしている……」などと疑われることになるかもしれないからです。もしそうなってしまえば、「二次災害」どころか「三次災害」です。

誰かが誰かを一方的に助ける、という関係は危険です

「誰かが誰かを思いやること」や「誰かが誰かを助けようとすること」は、素晴らしいことです。しかし、こういったことが、一方通行にしか働かない関係というのは、実は危険な関係であるとも言えます。「支配する側」と「依存する側」という関係になってしまうからです。「支配する側」の気分しだいでは、「依存する側」を助けることも、苦しめることも、自由自在になってしまうのです。

私たちに必要なのは、誰かを「助ける」仕組みではなく、誰かが「勝手に立ち直っていく」仕組みです。

いっそのこと、ベーシックインカムを導入してしまえばいいのです。働かなくても生きていける社会にしてしまえば、仕事におけるギスギスとした人間関係は少なくなるので、本格的に仕事上での悩みで苦しむ人も少なくなるでしょう。

仕事に就けずに悩んでいる人がいたとしても、特別に優しく接する必要はありませんし、特別に厳しく接する必要もありません。普通に接すればいいのです。ベーシックインカムがあれば、とりあえずは食うに困りません。放っておいても、彼らは彼らなりのタイミングで、社会に戻っていきます。自分にあった方法で社会に貢献するようになります。突き放しているわけではありません。これがもっとも、健全な方法なのです。

問題解決法には、「対症療法」と「根本療法」とがあります。
例えば風邪をひいたとします。「対症療法」では、「風邪をひいたようですね。それでは風邪薬を出しておきましょう」という対処をします。「根本療法」では、「風邪をひいたようですね。それでは風邪をひかないですむような生活習慣に改善していきましょう」という対処をします。後者の方が健全ですよね?

「就職支援NPO」や「心理カウンセラー」は、いわば風邪薬であり、対症療法であり、本当は、世の中に必要のないものなのです。けれども、今の世の中には必要であるということも事実です。私たちはそういった必要性と不必要性をよく理解したうえで、「就職支援NPO」や「心理カウンセラー」がなくなったとしても、誰も困らないような世の中を目指すべきなのです。

「就職支援NPO」や「心理カウンセラー」の社会的評価を下げたいわけではありません

私は別に、「就職支援NPO」や「心理カウンセラー」の社会的評価を下げたいわけではありません。彼らのうちのほとんどは、真面目な方々だと思います。しかし、おかしな人たちも混じっているということも事実です。それにいくら真面目で良心的であったとしても、彼らも人間ですので、いつも100%の仕事ができるというわけではありません。ちょっとした気のゆるみや仕事の疲れから、取り返しがつかないくらいに、クライアントを深く傷つけてしまうことだってあるのです。そういった危険性だけは忘れるべきではありません。

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