思考再開

自分さえ良ければ社会から、助け合い・共存共栄社会へ

あらゆる職業のなかでも、介護職は特に短時間労働であるべき

「要介護者に寄り添う気持ち」よりも「短時間労働化」の方が重要です

私は、すべての仕事は、短時間労働であるべきだと考えていますが、介護という仕事については、なおさら短時間労働であるべきだと考えています。心も身体もすっかり弱ってしまった要介護者の方々(しかも身内ではない)と、長時間一緒に過ごすのは、心身ともに疲れます。介護をする側が、身体の病気、心の病気になってしまっては、元も子もありません。

1日4時間程度、きっちり介護をするのであれば、介護職員の負担は小さく、介護の質は保たれやすくなります。介護職員にとっても、要介護者にとっても、利益です。
1日8時間以上も、介護をするのであれば、介護職員の負担は大きく、介護の質を落としかねません。介護職員にとっても、要介護者にとっても、不利益です。

「短時間労働化」は「介護の質」を保つための、重要な要素のひとつです。誤解を怖れずに言うならば、「要介護者に寄り添う気持ち」などといった「不明確な概念」なんかよりも、「短時間労働化」の方が、はるかに重要です。短時間労働化を進めることによって、介護職員の心と身体に余裕ができて、だからこそ要介護者に寄り添えるようになる、というメカニズムを作ることが大事なのです。

世の中は、どうも精神論や根性論が多すぎます。精神論や根性論がまったく必要ないとは言いませんが、たいていの場合は、これらによって、ものごとの本質を見失う結果に陥っています。「薬」になることはほとんどなく、「毒」になってしまうことの方がはるかに多いのです。

私たちは、精神論や根性論に頼らなくても済むように、介護職の短時間労働化をどんどん進めるべきです。

そう考えると今度は、いかにして短時間労働化を進めるか、という話になってきます。これについては、前のページ「介護職員の人手不足は、ベーシックインカムと短時間労働化で解消する」で書きましたので、そちらを参照してもらえれば、嬉しいです。

「短時間労働」が「虐待問題」を防ぎます

介護職員による要介護者に対する「虐待問題」があります。
とても許せるようなことではありません。しかし、そのようなことをする人たちは、何も特別な人たちではなく、ごく普通の人たちだと思います。社会的使命感から介護職の道を選んだという立派な方もいるでしょう。けれども、日々、繰り返される過酷な労働によって、いつ何をきっかけに、善良な介護職員が、悪意を持った加害者に変身したとしても、おかしくはないのです。

私は、虐待問題を起こさないために必要なのは、「賃金アップ」ではなく、1日4時間勤務といった「短時間労働化」だと考えています。前者は「キツイ仕事なので、そのかわりに高賃金にするので、ストレスが溜まっても、頑張って働いてください」という考え方であり、つまり精神論・根性論から脱却できていないのです。後者は「キツイ仕事だけれども、そのかわりに短時間労働にするので、ストレスは軽減され、ストレスを解消する時間的余裕もできるので、安心して働いてください」という考え方であり、つまり精神論・根性論から脱却しているのです。

ベーシックインカムが導入された、老後の生活が保障された社会で、短い時間だけしっかりと介護の仕事をして、一日の残りの時間をゆっくりと過ごす……。介護職員に必要なのは、そのような「ライフスタイル」ではないでしょうか?

私は何も「いじわる」で、賃金アップを阻止しようとしているわけではありません。賃金アップをするだけでは、その効果には限界があり、根本的な解決にはならない、ということを言っておきたいのです。

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