思考再開

自分さえ良ければ社会から、助け合い・共存共栄社会へ

「誰にでもできる仕事」が増えれば、身内の介護ができるようになる

仕事にしがみつく理由なんてありません

想像してみてください。
ベーシックインカムが導入されて「働かなくても生きていける社会」になったとします。失業への恐怖から解放され、誰もが安心して、自分たちの仕事の「仕組み化」「マニュアル化」「誰にでもできる仕事化」を進めることができるようになりました。

ある企業は、これらを徹底しました。
さすがに、すべての業務とまではいきませんが、全体の8~9割までの業務を、「誰にでもできる仕事」に変えることができました。従業員たちは、ローテーションを組んで、様々な業務に携わるようになりました。そのおかげで、誰かが急な用事で休んでしまったとしても、すぐに他の誰かがカバーに入ることができるようになりました。

ある従業員の母親が倒れました。
彼は、母親の介護に専念しなければならなくなりました。彼は社長に言いました。
「今までお世話になりました。明日から母親の介護に専念したいと思います」
社長はこころよく受け入れてくれました。日頃からローテーションを組んで仕事をしていたので、仕事の引き継ぎはすでに済んでいるのも同然です。会社の業務に支障はなく、彼はすみやかに会社を後にすることができました。彼は、ベーシックインカムのおかげで生活費に困ることはなく、母親の介護に専念しています……。

……このような社会はお嫌いでしょうか?

なぜ身内の介護が辛いのか?

介護は、する側もされる側も、辛い……。
何が一番辛いのかといえば、「将来への不安感」が拭えないことではないでしょうか? 特に「お金に関する不安感」です。

「働かなければ生きていけない社会」で「将来のお金の不安」を抱えながら、介護を続けることが、何よりも辛いと思うのです。逆に言えば、「働かなくても生きていける社会」で「将来のお金の不安」がなければ、介護を続けることは、実はそれほど辛くはない、ということは、考えられないでしょうか?(※話を単純化するために、「重度の要介護者」の面倒を見なければならない状況や、「老老介護」をしなければならない状況などは除いて、考えてください)

「気持ちの余裕」は大切です。
少し変なたとえかもしれませんが、「明日の生活がどうなるかもわからない状態で、毎日、ご飯と納豆だけを食べていかなければならない」としたなら、精神的にも肉体的にも、確実に、まいってしまいます。けれども「死ぬまでの生活が保障された状態で、毎日、ご飯と納豆だけを食べていかなければならない」としたなら、精神的にも肉体的にも、意外と、大丈夫である……というのが、私たち人間だと思うのです。(※あくまでも「たとえ」ですので、「栄養が偏る」といった現実的な話は抜きにして、考えてください)

自分の仕事を代わりにしてくれる人なんて、どこにでもいます

「働かなければ生きていけない社会(=ベーシックインカムが導入されていない社会)」においては、自分の仕事を「自分にしかできない仕事」にしておくことで、生き残りを図ろう、という人たちが多くなりがちです。身内の介護が必要になったとしても、仕事を囲い込んで、働き続けて、お金を稼いで、そのお金を使って、身内の介護を介護職員に任せる、という生き方をすることになります。

「働かなくても生きていける社会(=ベーシックインカムが導入された社会)」においては、自分の仕事を「誰にでもできる仕事」にすることで、全員でリスクを分散して、お互いに支え合って生きていこう、という人たちが多くなるはずです。身内の介護が必要になったときには、自分の仕事を他の人に任せて、会社を辞めて、ベーシックインカムで生活しながら、身内の介護を自分でする、という生き方ができるようになります。

私たちは、どちらの社会を望むべきなのでしょうか?

自分の仕事を、代わりにしてくれる人は、どこにでもいます
しかし「自分の父親や母親の子ども(つまり自分自身)」の代わりができる人は、この世のどこにも存在しないのです。

答えなんて、もう、わかっているはずですが……どのように思われますか?

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

おすすめ記事

no image 1
第6章 介護離職・介護職員の人手不足について

介護業界の人手不足は深刻です。 高齢化社会は、ますます加速していきます。介護業務 ...

no image 2
ベーシックインカムと「働かない人」に対する不公平感の正体

「働かない人」に対する不公平感は「錯覚」あるいは「幻想」です 「いかなる理由があ ...

no image 3
「業務効率化のジレンマ」がある限り、社会全体の利益は最大化されない

業務の効率化は悩ましい 仕事において、無駄をなくして、生産効率を上げることは、重 ...

no image 4
生産性が向上すればするほど、失業しやすくなる

生産性の向上と雇用の増加は相容れません 生産性の向上と雇用の増加は相容れません。 ...

no image 5
「楽」をすることは「悪」ではなく「知恵」である

「楽」をしないことは、お客様に対して失礼です 仕事において「楽」をすることは「善 ...

no image 6
「誰にでもできる仕事」と「再就職が容易な社会」と「人材の流動化」

私たち自身が、再就職が難しい社会を作っています 再就職(再チャレンジ)が難しい社 ...