思考再開

自分さえ良ければ社会から、助け合い・共存共栄社会へ

「働かなければ生きていけない社会」という前提条件を疑う

ワークライフバランスを実現するには?

「さあ、みなさん、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を実現するために、頑張りましょう!」などと言ってみても、何の意味もありません。業務の効率化を進めれば進めるほど、自分で自分のことを「失業」や「低賃金」への危険に追い込むことになるからです。

「働かなくても生きていける社会」を目指すことを宣言しない限り、ワークライフバランスは実現されません。逆に言えば、「働かなくても生きていける社会」を目指すことを宣言して、失業への恐怖をなくしてやりさえすれば、ワークライフバランスなんてものは、勝手に実現されるのです。

有識者たちの呆れたコメント

テレビなどで有識者たちが何かを発言するたびに呆れかえってしまうのは、私だけでしょうか? 彼らは揃いも揃って、同じようなコメントをします。

「まずは、正規労働者も非正規労働者も、同一労働同一賃金にしなければならない」……「長生きをする人たちが増えたので、定年退職という概念をなくして、お年寄りになってもずっと働き続けることができる社会にしなければならない。しかしお年寄りたちの雇用を守ろうとすれば、今度は若い人たちの雇用が守れなくなってしまう。だから難しい」……「この先、ロボットやAIがどんどん発達する。それに伴って人間の仕事はどんどん奪われる。失業者を増やさないためにも、どんどん雇用を増やさなければならない」……

開いた口がふさがりません。
賢い人たちの誰もが、「人は誰もが働くべきである」「働かざる者、食うべからず」といった古い考え方に縛られて、そこから抜け出せずに発言しているのです。こういった考え方は、昔は正しかったとしても、今でも正しいとは限らないのです。

あらゆる技術が発達した現在は、もう誰もがあくせくと働かなくても生きていける社会になっています。私たちは「生きるため」に働いています。「働くために生きている」わけではありません。もちろん「社会貢献や自己実現のために働いている」という人たちもたくさんいるでしょうが、まずは「生きるため」です。働かなくても生きていけるのであれば、別に働かなくてもいいのです。あとは方法論だけなのです。

「働かなければ生きていけない社会」を前提条件に考えることは、究極の「ボタンの掛け違い」です

世の中は、実に様々な問題で溢れています。

ブラック企業、非正規労働者、中年フリーター、介護離職、介護職員の人手不足、女性の社会参加、待機児童、母子家庭、子どもの貧困、児童虐待、熟年離婚、ドメスティックバイオレンス、災害復興、原発の再稼働……。年収が1000万円あった人でさえも、再就職ができずに、貧困に陥ることもあるそうです。

これらは、個別に解決すべき問題ではありません。「対症療法」で、特定の立場の人たちを救おうとしても、別の立場の人たちにしわ寄せがいくだけです。いずれも深刻な問題ではありますが、実は「枝葉」の問題に過ぎません。

元をたどれば、どれも「働かなければ生きていけない社会」であることが、根本的な原因なのです。

もう、全員があくせくと、働かなくても生きていけるような世の中になっています。それにもかかわらず、「誰もが働くべきである!」「誰もが働くことができる社会を目指そう!」などと考えるから、私たちは「分け合い」ではなく「奪い合いを始めているのです。奪い合うから、社会全体の利益が最大化されずに、社会の発展そのものが阻害され、個々人への分配が少なくなっているのです。

「働かなければ生きていけない社会」を前提条件としている限り、私たちは苦しみ続けます。それは出口のない迷路です。若い人たちの言葉でいうなら「無理ゲー(無理なゲーム)」です。私は、ベーシックインカムこそが、すべての問題を解決する「根本療法」になりうる、と思っています。今、私たちに必要なのは「一億総活躍社会」などといったスローガンではありません。「一億総活躍しないでもいい社会(=ひとりでも多くの人たちが労働から解放された社会)」といったスローガンなのです。

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