雇用を増やすことではなく、社会全体の利益の最大化と分配を考える
社会全体の利益の最大化と分配について
社会全体の利益が「最大化されず」、国民ひとり当たりへの分配が「少なく」なる社会。
社会全体の利益が「最大化されて」、国民ひとり当たりへの分配が「多く」なる社会。
どちらがいいかと言われれば、当然、後者のような社会に決まっています。けれども、現在は前者のような社会になっています。ベーシックインカムが導入されれば、後者のような社会を実現することができます。
現在の社会では、国民ひとり当たりへの分配が「少なく」なります
ベーシックインカムが導入されていない現在は、「働かなければ生きていけない社会」です。私たちは「失業への恐怖」を抱えたまま、生きていかなければなりません。
自分の仕事がなくなってしまわないように、あえて非効率的な働き方をしなければなりません。勤務時間が8時間であるために、5時間でできる仕事を、あえて8時間かけてしなければなりません。会社への忠誠心を示すために、あえてサービス残業や休日出勤をしなければなりません。誰かが成果をあげてしまうと、相対的に自分の評価が下がってしまうので、成果をあげそうな人の足を引っ張ったり、成果そのものを見て見ぬ振りをしなければなりません。このような働き方(生き方)を定年退職するまで続けざるをえない、という人たちがたくさんいます。
私たちは、パフォーマンスを最大化することができずにいます。当然、組織の利益が最大化されることはありません。ひいては社会全体の利益も最大化されません。そんなわけですので、国民ひとり当たりへの分配も「少なく」なっています。
ベーシックインカムが導入されれば、国民ひとり当たりへの分配が「多く」なります
ベーシックインカムが導入されれば、「働かなくても生きていける社会」になります。私たちは「失業への恐怖」から解放されて、生きていけるようになります。
自分の仕事を守る必要がなくなるので、どんどん業務改善を進めて、どんどん効率的な働き方ができるようになります。8時間かけてしていた仕事を、5時間でするようになります。勤務時間自体も、これまで8時間だったのが5時間に短縮されます。会社への忠誠心を示す必要がなくなるので、サービス残業や休日出勤をしなくても済むような、業務改善をするようになります。誰かが成果をあげることは、自分の仕事がより楽になることにもつながり、ありがたいことなので、成果をあげそうな人のことを素直に応援することができるようになります。仕事にしがみつく必要がなくなるので、自分がいなくなっても仕事が回るように、あたかも自分で自分のことをリストラするかのように、業務改善を積み重ねていくことができるようになります。
私たちは、パフォーマンスを最大化することができるようになります。組織の利益は最大化されるようになります。ひいては社会全体の利益も最大化されるようになります。巡り巡って、国民ひとり当たりへの分配も「多く」なります。
いかに社会全体の利益を最大化して、どう分配するかです
ベーシックインカムが導入されて、社会全体の利益の最大化と分配がなされるようになれば、誰もが幸せになれます。職に就いていない人たちのところには「最低限の生活を送るのに必要な現金や食べ物」が行き届きますので、餓死や孤独死、児童虐待といった最悪の事態を免れることができます。
もちろん、職に就いている人たちにもメリットはあります。
短時間労働化が進むことで、プライベートの時間が増えます。趣味に興じるのもよし、家族や恋人と一緒に過ごすのもよし。ヨガや瞑想にふけるのもよし……。私たちは、お金やモノ以外の喜びを取り戻すことができるはずです。
- ベーシックインカムの導入を宣言
- 「業務効率化のジレンマ」の解消
- 国民一人ひとりのパフォーマンスの最大化
- それぞれの会社の利益の最大化
- 社会全体の利益の最大化
- 国民ひとり当たりへの分配の最大化
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